映画撮影に向けての打ち合わせ@west hollywood

この前キャストされた、訳ありコントロバーシャルな映画の撮影が、もともと月曜からの予定だったのが、木曜からになりました。

おととい監督と打ち合わせがあり、僕はてっきりショートフィルムだと思っていたのだが、どうも3つのストーリーをつなげて一つの作品にするということなので、結局は『長編』映画の『主役』ということでレジメにかけそうなのは非常にうれしい。

ただ、予算がもちろん限られていて、なんとカメラマンを別に雇う金がなくディレクター自身がカメラも回すということで、その辺りは微妙だ。そして、僕の出演料も、撮影が朝から晩まで行われる7日間のうちの5日だけギャラがもらえる、ということで承知いたしました。でもなぜかその割には、この映画の撮影の為に、なんとウェストハリウッドのど真ん中に位置した2ベッドルームのアパートを借りていて(そこで打ち合わせが行われた)、ほんとに金がないのかい?と疑問を持ったのも事実です。

打ち合わせでは、映画以外のことまでいろいろなことをはなして、このソマリア出身の監督AJとお近づきになれた。彼が映画をつくるおもなモチベーションというのが、『人々の固定観念(=stereotype)を崩す』、ということで、だからこそ、彼の映画のテーマは、いつも『人種』『同性愛』が軸になっている。故に、僕のキャラクターは、日本人であるにもかかわらず、役者を目指していたり(VS{アジア人=マフィア、医者、弁護士、etc..}という固定観念)、物語の中で出会い、のちに恋に落ちるラティーノは僕のキャラクターよりも背が低いという設定だったり(VS{アジア人は背が低い}という固定観念)するのであろう。ただ、最も重要なのは、こういったことを「あたりまえ」という視線で撮るのが彼のスタイルだ。故に、彼は、彼の映画が「人種」「ゲイ」というカテゴリーに入れられることさえ嫌うのだ。つまり彼は今の世界で起こっている当たり前の現実を忠実に世の中につたえようとしているのだ。(ぶっちゃけ、役者を目指す、同性愛者の、日本人についての映画を作るアメリカ内のフィルムメーカーは、彼ぐらいでは。。それだけでかなりコントロバーシャルだ。)

さすがイスラム教の何十カ国をまわり何百人とのインタビューを元にイスラム教国の同性愛者状況を標した本を出版している方だけある。彼が今同時に取り組んでいる、他のとても興味深いプロジェクト、これから撮りたいと思っている映画等についても話してくれた。(驚いたものの一つには、彼は森鴎外の「雁」を元にした映画を、シチュエーションを変えて、でも全日本人キャストで作りたい、ということだった。)

ある意味ベタなサムライ/忍者映画でチャンバラごっこする(=ハリウッド映画)より全然文化/人権/ベターワールドに貢献している感じがするのは私だけだろうか。ちょっとぐらい映画の質が落ちるくらいどうだっていい。がんばるぞい!

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